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データ活用ガイド

アイアンは “飛距離” だけではない。

元ツアープロの経験とTrackmanデータで読み解く「着地角」

8 min readjp_blog_reo_author_page青山 怜央

トラックマンレンジでアイアンを打ったとき、皆さんは最初にどの数字を見ていますか?

おそらく多くの方が、まず「キャリー」を見るのではないでしょうか。

「7番アイアンで150ヤード飛んだ」
「今日はいつもより5ヤード飛んでいる」

自分が何番のクラブで何ヤード飛ばせるのかを知ることは、もちろん大切です。僕自身もキャリーは必ず確認します。

ただ、僕自身ツアープロとして競技に出ていた頃から、アイアンショットでキャリーとあわせて大切にしてきたデータがあります。

それが「着地角」です。

着地角とは、ボールがどのような角度で地面へ落下するかを表すデータです。

アイアンは、ただ遠くへ飛ばすためのクラブではありません。
必要な距離を打ち、そのボールを狙った場所へ運ぶためのクラブです。

今回は、僕が着地角を見る理由と、トラックマンレンジでどのように活用できるのかをご紹介します。



着地角とは?

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着地角とは

着地角とは、簡単に言えば、飛んできたボールが地面に対してどのくらいの角度で落ちてくるのかを表した数字です。

数字が大きければ、より上から急な角度でボールが入ってきます。反対に、数字が小さければ、より浅い角度で入ってきます。

例えば、同じ7番アイアンで150ヤードをキャリーした2球があったとします。

1球は低い弾道で飛んでいき、浅い角度で着地した。

もう1球は十分な高さがあり、より急な角度で着地した。

キャリーだけを見れば、どちらも同じ「150ヤード」です。

しかし、150ヤード先のグリーンを狙うショットとして考えたとき、この2球は同じでしょうか。

ここからが、着地角を見る面白さだと僕は思っています。



アイアンは「何ヤード飛んだか」だけではない

最近のアイアンは飛距離性能も高く、

「7番で160ヤード飛んだ!」

というのは分かりやすいですし、飛距離が伸びればうれしいですよね。

ただ、ゴルフは飛距離だけを競うスポーツではありません。

ゴルフはターゲットスポーツです。

150ヤード先にグリーンがあるなら、大切なのは単純に150ヤード飛ばすことではなく、150ヤード先の狙った場所へボールを運ぶことです。

同じ150ヤードをキャリーしても、浅い角度でグリーンへ入り、そのまま大きく前へ転がるショットと、十分な高さを確保し、より急な角度で入ってくるショットでは、コース上での意味が変わってきます。

だから僕はアイアンのデータを見るとき、

「何ヤード飛んだか」

だけではなく、

「そのボールは、どのような角度でターゲットに入ったか」

まで見てほしいと思っています。



ツアープロはなぜ着地角を見るのか

プロゴルファーにとって、グリーンを直接狙える弾道かどうかを考えるうえで、着地角は重要な要素の一つです。

一つの目安として、45度以上の角度でグリーンへ入ってくる弾道であれば、「この球なら直接グリーンを狙っていける」と考えることができます。

女子プロゴルファーの場合には、ボールスピードや飛距離などとの関係から、42度前後でもグリーンを狙っていける弾道として考えるケースがあります。

では、世界最高峰の舞台で戦うPGA TOURの選手たちはどうでしょうか。

PGA TOURでは、非常に硬く速いグリーンなど、シビアなコンディションでプレーすることがあります。

選手たちは、そのような状況でも、ロングアイアンでグリーンを狙い、ボールをコントロールしなければなりません。

Trackmanが蓄積しているPGA TOURの平均データを見ると、ロング〜ミドルアイアンでも着地角は50度前後に達します。

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PGA TOUR 着地角平均データ

この数字を見て、

「やっぱりプロはすごい」

だけで終わらせないでください。

大切なのは、なぜプロにはその角度が必要なのかということです。

硬く速いグリーンに対して、必要なキャリーを出しながらボールを止めたい。

そのため、トッププレーヤーは「何ヤード飛ばすか」だけではなく、その距離をどのような弾道で描き、どのような角度でグリーンへ入れるのかまで考えています。



では、アマチュアも50度を目指すべき?

答えは、必ずしもそうではありません。

PGA TOURの平均値は非常に参考になりますが、それをそのまま全てのゴルファーの正解にする必要はありません。

ツアープロと一般のゴルファーでは、クラブスピードもボールスピードも違います。使用しているクラブのロフトも違えば、プレーするグリーンのコンディションも異なります。

7番アイアンでは着地角45度前後が一つの目安として使われることがありますが、

「45度なら正解、40度ならダメ」

という見方をする数字ではありません。

プロの数字は、そのままコピーするためのものではなく、自分の弾道を考えるための参考値として使ってみてください。

例えば、トラックマンレンジで7番アイアンを打ったとき、

キャリー 150ヤード / 着地角 40度

だったとします。

そこで、

「45度ないからダメだ」

と考える必要はありません。

まずは、

「これが今の自分の7番アイアンの弾道なんだ」

と知ることから始めてみてください。

そして、もし実際のコースで「グリーンに落ちても前へ行きすぎる」「もう少しボールを止めたい」という悩みがあるのであれば、そこで着地角というデータが一つのヒントになります。



例えば、こんな練習をしてみてください

先ほどの、

7番アイアン / キャリー 150ヤード / 着地角 40度

を自分の基準とします。

そこから、同じ150ヤード前後のキャリーをなるべく維持しながら、少し高さのある球を打ってみます。

ここで覚えておいてほしいのは、高い球を打つために、全員に共通する一つのスイング処方があるわけではないということです。

例えば、ボール位置を少し変えてみる。これはあくまで一つの例ですが、自分なりに工夫しながら弾道の高さを変えてみて、その結果として着地角がどう変化するのかを確認してみてください。

例えば、

150yd / 40°
→ 149yd / 42°
→ 150yd / 43°

と変化したらどうでしょうか。

飛距離はほとんど変わっていません。

しかし、ターゲットへのボールの入り方は変わっています。

反対に、高く打とうとした結果、

150yd / 40°
→ 140yd / 45°

となったのであれば、着地角は大きくなっていますが、必要なキャリーを失っています。

それなら、単純に「45度になったから成功」とは言えません。

大切なのは、45度という数字そのものを目指すことではありません。

必要なキャリーを確保しながら、自分のボールをどのような弾道でターゲットへ入れられるのか。

ぜひトラックマンレンジで試してみてください。

そして、

「少し高く打ったつもりだったけれど、数字は変わらなかった」

「この打ち方ならキャリーを落とさず、着地角を少し大きくできた」

そんなふうに、自分の感覚と実際のデータを比べてみてください。

僕自身、データを使って練習するときに大切にしているのは、単に“良い数字”を出すことではありません。

自分がイメージしたショットと、実際に起きたことを一致させていくこと。

そこに、データを使って練習する大きな意味があると考えています。



着地角だけでボールが止まるわけではない。

もちろん、グリーン上でボールがどれだけ止まるかは、着地角だけで決まるわけではありません。

スピン量、ボールスピード、グリーンの硬さや速さ、傾斜、芝の状態、風など、さまざまな要素が関係します。

そのため、

「着地角が45度を超えれば必ず止まる」

という意味ではありません。

ただ、トラックマンレンジで着地角を見ることで、自分が打ったボールが最終的にどのような角度でターゲットへ入っているのかを確認できます。

最初からすべてのデータを理解する必要はありません。

まずキャリーを見る。

そして着地角を見る。

それだけでも、いつものアイアン練習が少し違って見えてくるはずです。



「飛んだ!」だけで終わらないアイアン練習へ

ゴルフはターゲットスポーツです。

アイアンは遠くへ飛ばすためだけのクラブではありません。

必要な距離を打つ。

狙った場所へ運ぶ。

そして、そのボールをどのようにターゲットへ入れていくのかまで考える。

「今日は7番アイアンが150ヤード飛んだ」

そこから、

「150ヤードを、この弾道、この着地角で打つことができた」

というところまで、自分のショットを見てみてください。

ぜひ次にトラックマンレンジで練習するときは、キャリーのあとに着地角にも目を向けてみてください。

飛距離だけでは見えなかった、自分のアイアンショットが見えてくるかもしれません。



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